懐紙

懐紙

懐紙とは?と調べてみると「懐に入れて携帯するための小ぶりで二つ折の和紙」と書かれています。


和紙は日本の伝統工芸であり伝統文化のひとつです。代表的な産地としては福井県の越前和紙、富山県の越中和紙、岐阜県の美濃和紙などまだまだ他にも素晴らしい和紙が作られています。

「懐紙」は素材が和紙のため様々な使い方があります。口元を拭う、グラスの水滴や椀の水滴を拭く、メモ代わりに書く、食べ物やカップを載せる、包みとして使うなどなど。


茶の湯の世界では、茶席で菓子を取り分ける時に必要な懐紙です。懐紙は、茶道の為のもの!という考えの方も少なくないかもしれません。しかし、実に多様な使い方があるのです。


振り返ってみると私は七歳から日本舞踊のお稽古に通っていました。上手に踊れた時にはご褒美のお菓子を懐紙に包んで帰りに持たせてくれていました。今になって、懐紙の想い出として最初によみがえってきます。

日本料理の世界では、料理の時に懐紙を敷き紙として使用する際には、平常時(祝儀含)と不祝儀では折り方が違うという慣習がある事を学びました。

私は毎年、年末になると次の干支の懐紙を買う事にしています。一枚の懐紙だけで、凛とした空気と丁寧な気持ちを伝えられる様に感じます。

懐紙の浮き上がる型模様や透かし模様には、日本人だからこそ響く未完の美がほどこされていて素敵です。是非、もう一度懐紙の魅力にも目を向けてみたいですね。