蓮の花は、泥水の池(蓮田)の中から真っ直ぐに茎を伸ばす華麗な花。早朝咲き始めお昼には閉じてしまい3日から4日で散ってしまいます。泥から出てきても汚れることはありません。このことから蓮の花は、清らかさの象徴とされ仏教では神聖な花とされました。
蓮の花は、とても神秘的な香りを放ちます。また、蓮の葉は表面が特殊な構造のために水滴を浸透させずに弾いてしまうので、葉が濡れる事はありません。水の球になる様は、不思議な景色。また、鑑賞ばかりではなく蓮の花托から採れる種子は、発芽力が千年以上も消失しないとたとえられる程の強い生命力をもち、薬膳料理でスープや蓮の実ご飯、デザートにも使われる胃腸を強めアンチエイジングにも効果がある食材とされています。
私たちに一番馴染みのある蓮の根の蓮根ですが、実際には根ではなく地下茎が肥大化したものだそうです。穴が空いている為に見通しが良いという縁起を担ぎ、正月にも食べられる身近な食材です。蓮根のビタミンCがメラニン色素の生成を防ぐ効果や不溶性の食物繊維も豊富な為に便秘予防や改善にも役立つ食材とされています。この様に、蓮には様々な効用があるのです。
七月から八月のわずかな時期しか見かける事のない神秘的で華麗な花を咲かせる蓮は、様々なパワーを私たちに与えてくれているのです。
蓮花の文を書いていると、意識していなかった風景がよみがえってきました。
私が通っていた別府市立亀川小学校の校舎の裏は、蓮田だったのです。雨上がりに太陽光が当たると蓮葉の上の水玉が宝石の様に輝いた美しい風景を校舎の上から見ていたのでした。下校時には、大きな蓮葉が落ちていると傘の代わりにしながら帰ったワクワク感。雨が降るとバタバタと蓮葉が跳ね返す雨音までもが遠い記憶の中から浮かび上がってきたのでした。
とても懐かしい子どもの頃の自分と再会した様な不思議な気持ちになりました。