田んぼから水が抜かれ稲刈りも終わり景色が一変する時期です。いよいよ新米が出回りツヤツヤ輝く水分量の多いモチモチ食感の美味しいご飯の季節です。新米とは、米の収穫(9月から11月地域や種類により差がある)されたその年の(12月31日)までに精米され包装したものを新米と呼ぶのだそうです。
稲作は、日本神話にも通じますが私たち日本人の文化の中心になっていると言っても過言ではないと考えています。自然信仰、水信仰、暦の成り立ちや背景、祭りの源流には五穀豊穣への願いに通じているものが多くあります。
また、日本人のみが木製の箸を横にセッティングするという意味。元旦には両細柳箸を準備しお節をいただく風習は新たな年神様との神人共食を背景としたものです。それほどに、実りに対する願いと感謝の形が組み込まれています。
近代では、稲作に対する栽培法も研究され特別栽培や残留農薬不検出米なども多くなってきています。大きな進化は、そればかりではなく美味しいご飯を炊く為の土鍋の開発や釜炊きなどの道具の同時進化も起きています。
稲作は、美味しいご飯だけでは無く世界で愛されている日本酒。米麹。米粉のパンのシェアも膨らんでいる。また、沖縄で生まれた米から作られたウイスキー。
日本人は、既存のものから時代の流れに沿った新しい世界を価値創造に繋げていく事を繰り返して進化していることを稲作文化からも受け取る事が出来ると思います。
田染荘(たしぶのしょう)をご存知ですか?時代は移り変わってきましたが、1200年以上も水田や周囲の景観が変わらず守り受け継がれている地区です。稲作を継続する為に重要な事は、それを守ろうとする人が途絶える事なく存在し続けているという事でもあるのだと思います。
稲の苗付から実りに至り収穫されるまでの過程を考えると幸せに感謝し新米をいただく気持ちも大切にしたいものです。