元旦の朝、福茶を飲み新年の挨拶を交わし屠蘇を注ぎ祝います。年頭にあたり延命長寿を願い飲む漢方薬である屠蘇散をみりんや酒に浸したものをいただきます。
屠蘇をいただく為の道具である屠蘇器。現代では、身近な道具とはいえなくなってしまいましたが、12月になると屠蘇器が漆器売り場に並びます。この写真は、輪島塗の屠蘇器です。正月に相応しいおめでたい絵柄が描かれています。日本には、その事柄に多くの願いを託す表現が形や絵柄にあらわされています。息をのむ美しい手仕事です。
屠蘇器がないので無理という訳ではありません。ティーポットや片口などに飾りをあしらい屠蘇器の代用して屠蘇の祝いを行えます。
屠蘇は漢方薬という話に戻りますが、漢方とは中国系伝統医学を日本の風土環境や日本人の体質気質に合わせ日本でアレンジされた伝統医学である。という理解が正しいのだと学びました。私は、毎年薬局に売っている医薬品分類に含まれた屠蘇散を買い求め使用していました。
今年はご縁があり、東洋医学研究所の先生のご指導でオリジナル屠蘇を食品素材の生薬から 作ってみました。
桂皮(シナモン) 山椒 桔梗 赤小豆 陳皮 山査子 丁字(グローブ) 茴香(フェンネル) 八角 浜防風を組み合わせ、5グラムに対して200から300ccのみりんや酒に一夜浸しておくといいそうです。まさに、医食同源の学びでした
福茶を飲み屠蘇で祝ってから雑煮や祝い肴、祝い膳をいただくのが正式な流れとされています。
2023年の年頭は、屠蘇について意識を向け古来から儀式として家族の健康に対する想いを屠蘇器という特別な道具を用い日本のならわしとして確立させてきた屠蘇。延命長寿という、時代を超えた不変の願いが込められ受け継がれてきたのですね。